悪い予感はよく当たる/破壊(4) [問題行動]
子供たちは、毎日、必ず、モノを壊す。
少しでも、その片付けの負担を減らす目的で、
引き出しに、外からは見えない鍵を取り付けた。
その結果、以前は開いた引き出しが、
開かなくなったことに、U一郎が激し怒り、
U一郎も部屋も、悲惨な状態となって、
作りかけの夕食まで、台無しにしてしまった。
自閉症のU一郎は、環境の変化に弱い。
だから、鍵がなかった引き出しに、
途中から鍵をつけるのではなく、
「鍵で開け閉めできる引き出し」というのを
最初から、U一郎によく見せて理解させ、
その後。鍵を閉めて利用する方が
良かったのではないだろうか。
そんなことが、頭をよぎった。
でも、それより、もっと大事なことは、
鍵を閉めて開かなくなった引き出しを、
また、開けておいておくのか、
それとも、二度と、U一郎の前では開けないのか、
早く決めることだった。
引き出しが、再び開くようになると、
きっと、U一郎は、また怒り狂うだろう。
それは、もう嫌なので、
とりあえず、しばらく閉めたままにしておいた。
すると、U一郎は、その後、
引き出しを撫でたり、指でつついたりしていたが、
無理に開けようとしたり、怒り出すことはなかった。
「この引き出し、いつになったら、U一郎の前で、
鍵で開け閉めを、できるようになるのかな。」
引き出しの方を眺めて、ぼんやり考えていると、
よく、O次郎がそばにやってきて、
私の方を、じっと見ていたのを覚えてる。
2021-01-31 08:00