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私たち親子も、カモなのだろうか。(2) [放課後等デイサービス]

放課後デイサービス(放デイ)は、

だいたい3つのタイプがあると言われる。


(1)お預かりタイプ

(2)お稽古ごとタイプ

(3)療育タイプ


そして、U一郎とO次郎は、今までに、

全てのタイプに通ったことがある。


(1)お預かりタイプの放デイは、

安全で清潔で、本人が楽しく過ごせれば、OK。

それ以上のことは、別に、期待もしなかった。



(2)お稽古事タイプの放デイは、

運動系、アート系、勉強系に行ったことがある。

一つの放デイで、複数のプログラムがあることも多い。


ある放デイの場合、指導員全員が、

一般の別教室で、普通の子供達に同じことを教えており、

授業内容などが、あまりにまともすぎて驚いた。

でも、子供がついていけず、結果は出なかった。


それ以外の放デイでは、指導員がほぼ素人で、

イベント的に、子供に体験させるような感じのもの。

大型ショッピングセンターや地域の児童館とかで、

普通の子なら、無料か数百円で、体験しているだろう。


そういうものを、1時間程度やることで、

8000円程度の利用料(利用者負担は1割)/回なのだから

放デイ開業で、高収入・安定収益とか、開業数ヵ月で黒字とか

そんな記事がネットに飛び交うはずだ、と思う。


子供に障害があって、何かさせるだけでも大変だから、

一般社会だったら、誰も相手にしてくれないから、

その値段と内容でも、ありがたいと思うべきなのかな。

そんなことを、他の保護者と話したこともある。



そして、(3)療育タイプの放デイ

子供は、少しずつでも成長して発達する。

普通の子と同じ年齢の時に、全然できないことでも、

大きくなると、結構簡単にできてしまうことがある。


けれど、やっぱり、障害などが原因で、

大きくなっても、なかなかできないこともある。

特に、障害の中核部分なんて、

週に数回程度、何かをしたところで、

なんとかなるとは思えない。


にもかかわらず、多くの放デイのHPは、

どこも同じように、期待をもたせるような言葉が並ぶ。



「私たちは、どうせ、一生カモだから」

そう言っていた保護者の目線を思い出す。


放デイが、どんなに素晴らしい場所でも、

私は、U一郎とO次郎が、一日も早く、

放デイに通う資格も必要もなくなって、

社会で、普通に人生を送れるようになってほしい。


私が通わせていた放デイのオーナーは、

そんな私と同じ方向を見て、歩いてくれていただろうか。



コロナ以前に、放デイで、

利用者の保護者のための座談会があった。


フリートークの時間に、ある保護者が、

「ある種の障害に効果があった治療法」について

海外の研究事例を、参加者の前で話し出した。

保護者達は、みんな身を乗り出して聞き入っていた時、

放デイの管理者と児童管理責任者の顔は、

明らかに曇って、険しくなっていた。


きっと、それが答えだよね。

それでも、仕方がないんだよね。


    

   


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私たち親子も、カモなのだろうか。(1) [放課後等デイサービス]

U一郎とO次郎は、放課後デイサービス(放デイ)に通っている。


そこは、学齢期の障害のある子供の学童みたいなものだけれど、

「療育機能」も持っている点で、普通の子供が行く学童とは違う。


療育とは、「治療+教育」という意味で、

障害のある子どもが、より自立した生活を送るためのもの。


具体的に、何をするのかというと、

例えば、会話とか、コミュニケーションの練習や

日常の生活動作(着替え、スプーン、他)の練習など。


たいてい、その子供にとって、必要で苦手なことが選ばれ、

「療育」として教わることが多いんじゃないかな。


そして、多くの放デイが、そのホームページで、

「療育をしている」ことを強調しているように見える。


でも、この「療育」だけれど、

子供を放デイに通わせるお母さん達との会話では、

こんな話が出ることも、結構ある。



「本当に療育できるような人に、会ったことないよね。」

「そんなに療育の結果が出せたら、それ障害じゃないでしょ。」

「障害があっても、やれば、元々、ある程度はできるからね。」




ただ、そうは言っても、

「もしかして、子どもが、すごく改善するかも」

という期待をして、放デイで療育をお願いしたりする。


そして、その親の期待というのは、

本当に、とても切実であることもある。


「子供が、障害という個性を持って生まれますように。」

「将来、子供が、障害を背負う事故にあいますように。」

そんなことを願う親は、普通いないのだ。


いつだって、今すぐにだって、子供のために、

子供の障害が消えてほしいと願う親は多いと思う。


けれど、そんな親の気持ちの切実さに対して、

放デイの「療育の質や取り組みへの姿勢」は、というと、

驚くほど、低く、軽々しく、感じることもある。


さらに、放デイの求人欄や、スタッフたちの言動からも

見たくないものが、透けて見えることがある。


放デイに子供を通わせる親たちは、

放デイのスタッフより、年上の場合も少なくないから、

それは、ある程度、仕方がないのかもしれない。



結局、障害のある子供の親は、

その切実さな期待につけこまれ、

社会的な立場の弱さからも、

足元を見られているのではないか、

要するに、「一生、カモ」なのではないか。


そんな言葉を、つぶやく親だっていた。




ただ、放デイの「療育の質や取り組みへの姿勢」は、

スタッフだけのせいか、というと、そうではなく、

むしろ、放デイのオーナーが、放デイを始めた動機や、

放デイで働くスタッフに対する給料や待遇などにも、

大きく関係しているのではないかな。


それは、どんな業種でも、普通にありえることだから。



自分から、勝手に、ここまで書いたのだけれど、

今日はもう、これ以上、書くのは、よそう。


何か、耐え難いほどに、気持ちが重くなってしまった。



   







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障害のある子供の命の値段(2) [放課後等デイサービス]

障害のある子供が、

自宅、学校や施設から、或いは、外出先で

行方不明になってしまうことはある。


障害児の行方不明(見失い)は、

放課後等デイサービスや移動支援に限ったことではない。


日本全国で考えると、

週に2~3人以上は、そういう子供が行方不明になり

警察に通報されているのではないか、という話も聞く。


行方不明の子供を見つけるまでに、長い時間がかかると

最悪の結果を招く可能性も高くなるだろう。


少し前にも、報道された事件がある。



2015年、東京都八王子市にある障害者の福祉施設から

重度の知的障害者の少年(15才)が行方不明になった。


この少年は、その2カ月後、

高尾山麓の沢で、帰らぬ人となって見つかった。


この施設は、少年が行方不明になった責任を認め、

慰謝料として、2200万円を払う姿勢をみせたらしい。


でも、この施設は、

少年が将来働いて得られるはずの収入(=逸失利益、ただし生活費は除かれる)は

なかっただろう、と考えて、

少年の両親に、逸失利益を支払わないつもりだった。


少年の両親は、

「逸失利益がないとするのは、『命の価値がない』とするのと同じだ」

という考えから、

少年の逸失利益を求めて、裁判所に訴えた。


そして、2019年、東京地方裁判所は、

基礎収入額を、「19才までの健常者の平均賃金」として計算し

総額 約5200万円(その内、逸失利益は約2240万円)の支払いを

施設側に命じた。



近年、未成年者のこのような事故において

障害児の逸失利益を認める判決などが出ている。


この判決では、

この少年が就労できる年齢(18才)までに3年しかなかったことや

障害者が、能力を発揮して働ける労働環境が社会に整備されていないこと等が

判断の事情として考慮されたのだろう。


だから、この少年の障害が少し軽くて、もっと年齢が低かったら、

基礎収入額が、「19才までの健常者の平均賃金」ではなく

もう少し高額になった可能性もあるだろう。


では、もしも、この少年に障害がなかった場合、

逸失利益は、いくらになったのだろう。


全年齢平均賃金を基礎収入とし、それ以外の条件を同じと仮定すると、

逸失利益は、約5160万円(総額 約8400万円の支払い)になる。


つまり、この少年は、その障害があったことによって、

逸失利益は、たぶん約2900万円ほど、低くなったのだろう。


けれども、裁判で、逸失利益を決める場合には、

被害者が、たとえ健常者であっても、

その個人の特性や可能性を考慮される。


そう考えると、少なくとも、

「障害者だから、逸失利益はない」と簡単に決めつけるのは、

今後、一般的に許されなくなるかもしれない。



でも、亡くなった少年が、失ってしまったものは、

逸失利益で表された金額のお金ではなくて、

その後、生きて過ごせたはずの人生全部だ。


少年が住んでいた施設は、高い塀に囲まれていて、

部屋や施設の出入口には、監視カメラだけでなく、

鍵も設置されていたと聞く。


この少年は、本当は、どんな人生を送りたかっただろう。



そして、U一頭とO次郎は、どんな人生を歩みたいのだろう。


私の人生は、どうしたらいいのだろう。



      


    









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障害のある子供の命の値段(1) [放課後等デイサービス]

新型コロナウィルスの感染者が爆発的に増え、

2度目の緊急事態宣言が出ると報道があったため、

子供たちが通っている放課後等デイサービスに

「今週の金曜日は、お休みします」と連絡した。


欠席の理由に、こんなことを話した。


もちろん、子供たちを、感染させたくないのが一つ。

2人ともアレルギーがあり、どういう症状がでるか怖い。


それに、もし感染した時、昏睡状態などでなくて、動き回れる状態だと、

子供だけで入院なんて、普通にできるとは思えない。

日本中がコロナで大変な時に、病院のスタッフや患者さんに、

一体どんな迷惑をかけてしまうのだろうか。

想像しただけで、恐ろしい。

結局、コロナ以外のことで迷惑をかけてしまう子供たちは、

やむなく鎮静剤などを打たれて、

さらに、その副作用で苦しむのではないだろうか。


また、もし私達親に感染した場合、子供を見る人がいない。

いろいろ問題を起こす子供たちだし、もう幼児ではないから

私達親の兄弟や親せきには、とても頼めない。


そういう場合は、児童相談所に一時保護されるらしい。

そうなると、おそらく子供の居場所は教えてもらえなくなり、

子供と電話で話すこともできなくなるという話をきいた。

そういうのは、親として、当然、避けたい。



放課後等デイサービスのスタッフは、

「なるほど、なるほど。」と話しを聞いてはくれたが

その後、続けざまに、こんな提案をしてきた。

「他の曜日や時間も、少し空きが出たので、そっちなら来れませんか?」

「知っている移動支援のスタッフに余裕が出たので、

移動支援を利用して、通所すると、自立の訓練にもなりますよ。」


移動支援というのは、自分だけで移動するのが困難な人に付き添い、

ある場所から目的地までサポートしてくれるサービスだ。


でも、U一郎もO次郎も、かなりの早さで動き回るADHDなので、

特に外では、一瞬たりとも目を離すことはできない。

だから、私は、いまだに2人に「迷子ひも」を使ったりする。


けれど、移動支援では、身体拘束である「迷子ひも」は使えず、

せいぜい手をつなぐことくらいしかできない。


「2人ともきっと迷子になるから、移動支援は使えないです、、」

と言うと、そのスタッフはこう返答した。

「迷子なんてならないですよ。それに、日本の警察は優秀だから」


時間もなかったので、もう話を終わらせることにした。

「じゃぁ、考えておくので、金曜日は欠席でお願いします。」

すると、何か勘違いしたような明るい声で言われた。

「ありがとうございます!」


子供たちの価値や安全が、軽んじられているように感じて、

ちょっと悲しく、そしてしんどくなってしまった。

 


  


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障害のある子供が行方不明になった時(2) [放課後等デイサービス]

放課後等デイサービスを利用している子供が

施設や送迎車から勝手に出て行ってしまって

行方不明になってしまうことある。


子供が行方不明になった時、

どのように対応するかは、

施設によって本当に様々である。


私が知っているある施設では、

子供が行方不明になったら、

すぐに、保護者と警察と関係先に連絡し、

別の店舗のスタッフなどにもお願いして

関係者が総出で、捜索を開始していた。


無事に見つかった子供は、GPSをつけていたが、

発見されるまで少し時間がかかった。



また、私が知っている別のある施設では

子供が行方不明になった時、

空き時間のスタッフ1人だけが、近所を歩いて探した。

営業時間中で、他に空いている人がいなかったからだ。


結局、その子どものお迎えに来た保護者に、

行方不明であることを知らせた後、警察に連絡。

時間はかかったが、子どもは無事にみつかった。


他の用事のついでに、そこの責任者とたまたまこの話をしたら、

「施設の営業を短縮・停止して捜索することは、他の利用者に迷惑がかかるためできない。」

「営業時間以外は、スタッフのプライベートの時間なので、その時間に捜索することはできない。」

「責任者などは、もちろん子供の無事を願っているが、捜索については素人なので、プロである警察にお願いした方が良い。」

とそこの責任者が言っていた。


ここに書き記した2つの施設は、

私が、正反対の対応だと感じた例にすぎず

他にもいろいろな施設があったし、

同じ施設内であっても、その時のスタッフによって、

全く違う対応をすることもあった。

 

そんなことを経験したため、

私は、U一郎とO次郎に、GPSを持たせることにした。

 

 



そして、子どもが行方不明後に、

誰かに連れ去られてしまう可能性も考えて、

最大一週間充電不要というGPSにした。


U一郎とO次郎は、なぜかはしゃいでつけている。

きっとまた、何か誤解しているのだと思う。



 

  


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障害のある子供が行方不明になった時(1) [放課後等デイサービス]

学齢期の障害のある子供に対する福祉施設には、

放課後等デイサービスというのがある。


小学生1年生から高校3年生までが利用でき、

U一郎とO次郎も、この施設を利用している。


その施設に集まっている子供たちは

知的障害、自閉症、ADHDなど、多種多様だ。


預かり型の施設だと、10人程度の子供たちを

3~4人程度の指導員で、面倒みることも多い。


その施設通う子供たちは

分別とか 自分を律する力とか 危険を避ける力とか

そういうことが 年齢よりかなり低いことも多い。


そのため、「脱走」とか「内緒でこっそり外出」とか

そんな意図もなく、なんとなくフラフラ~っと

誰にも断らずに、外に出て行ってしまう子供がいる。

 

そういう子供は、施設での預かり終了時刻までに

自分で施設に帰ってくるはずもなく、

自力で、自宅に帰ってしまうこともない。

いわゆる「行方不明(見失い)」になる。


私は、施設にU一郎やO次郎を迎えに行った時、

「施設に通う別の子供が行方不明になった」

という非常事態に居合わせたという経験がある。


それは、別々の施設で一回ずつ、全部で10回未満。


本当に、なんて運が悪い。

そんなこと、知りたくなかったからだ。


   

  


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