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往生際の悪い母親 [カナシミ]


新美南吉さんの童話「でんでんむしのかなしみ」では


でんでんむしが、自分の背中の殻に


カナシミがいっぱい詰まっていることに気付き


「もう生きてはいけない」とまで嘆く。


けれども、お友達のでんでんむし達も


みんな、同じようにカナシミを抱えているのを知って


嘆くのを止めた、とある。

    


  


「すごいね。えらいんだねぇ。」と思う。


本当に。嫌味ではなく。


なぜなら、私は大人なのに、


たぶん、ずっと嘆き続けるだろうから。


このでんでんむしのように、


お友達に会って、嘆いてみたり、


「どうしたらいい?」と尋ねることはないけど。



いつか、私が 嘆かなくなる時が来るとしたら、


それは、きっと


カナシミの原因がなくなる時。


つまり それは、薬か、治療か、他の何かで、


子供たちの障害が、体からなくなった時。


そして、子供たちが、多くの人と同じ程度に


この世で、思う存分、羽ばたける時。



私は、往生際の悪い母親だね。


    soul-623423_640.jpg





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