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U一郎とO次郎の知的障害のこと(1)乳幼児期 [知的障害のこと]

U一郎とO次郎は、ともに発達が遅かった。


どちらも、2歳ごろの発達検査では


何度かやっても 全て DQ50以下だった。


言葉もほとんど出ていなかった。


かすかに、O次郎の方が喃語が出ていたが


U一郎の方が、体の発達は少しだけ普通に近かった。



子供たちは、今後、普通の人よりもどのくらい遅れるのか


子供たちは、大人の年齢になると、どんな状態なのか



現状の不安と 未来を知りたい気持ちで


医療関係や福祉関係の人に会うたび 質問した。


でも、手掛かりになりそうな話は、誰からも聞けなかった。



不安と期待の入り交じった気持ちで過ごすうちに、


自治体の療育センターの施設長から、回答が飛び出した。


「現状で、普通の子供より半分程度の遅れがあるわけだから、

そのままのペースで大人になる、という感じになりますかね、」


私はとても驚き、強い口調でたずねた。


「皆が20才の時、この子達は10歳程度の知能ということですか?」


私の勢いに慌てた施設長は。あいまいに返事をする。


「まぁ、何歳とか正確には答えられませんが、そういう感じですかね。」


あまりのことに耳を疑いつつ、私はさらに質問を続ける。


「じゃぁ、みんなが40才の時に、20歳くらいになります?」


施設長は目を泳がせて明らかにソワソワしながら、


「子供の成長はいろいろですから。じゃぁ、今日はこれで。」


と言って、急に立ち上がって去ってしまった。



この不吉な情報に、重い不安を感じつつも、


私は、この施設長の言葉をそれほど信用していなかった。


それは、「原因不明の発達の遅れ」というものが


将来的に、「単なる発達の遅れ」ではすまなくなり、


家族の生活を脅かす致命的な問題を引き起こしてしまう、


とは全く知らなかったからだ。      




   


 

 




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