あの時の理由を知ることで [教訓の泉]
異なる時期に生まれたU一郎とO次郎なのに、
2人とも同じことで、問題を起こすことがある。
その一つが、おむつ替えだった。
小さい頃、U一郎とO次郎は、
おむつ替えの時に、どちらも本当によく泣いた。
その泣き方は、普通の泣き方ではなく、
近くにいる人達が、みな一斉に振り返ったり、
「どうして、こんなに泣いているんですか?」と
知らない人に、怪しまれたりした。。
また、泣いている子供のそばに、いろいろな人がやってきては、
歌を歌ってくれたり、笑ってあやしてくれることもあったが、
どれもこれも、逆効果だった。
子供たちは、火災報知器のようにもっと激しく泣き出し、
結局、泣きやまそうとしてくれた人が
私の育て方に問題があるような言い方をして立ち去ったりして。
私は、時々、体にじんましんが出てしまうようになった。
今でも、その時のことを思い出すと、
体に違和感を感じたり、数十秒くらいの軽い耳なりがしたりする。
O次郎が、「オムツのCM」を見ながら踊っていた時に、
返事を期待する気もなく、ため息まじりにつぶやいた。
「O次郎は、おむつ替えで、どうしてあんなに泣いていたのかな」
すると、O次郎は、ちょっと笑いながら、あっさり言った。
「それはねー、おむつをベリベリッって剥がす時の音が怖かったんだよ。」
「あとねぇ。ビリビリッて破く音もして、皮膚が破られそうな気がしたんだ。」
「アー、あれホント怖かったなー。」
私にとっては、何もかもが衝撃的で、
しばらく座ったまま、立ち上がることもできなかった。
今、ものすごく悩んでいることや困っていることも
いつか、もしもその理由が分かったなら、
こんな風に、気が抜けるくらい安堵できるのかもしれない。
言葉が話せることや気持ちが伝えられることって
ものすごく重要に感じた。
今日は、久しぶりに、深く眠れそうな気がする。