O次郎の足のこと(2)~孤立の始まり [足のこと]
検診で言われたのは、不吉な予言だけで、
O次郎が あまり歩けない原因の手がかりすら
全く得られなかった。
そして、紹介先された療育センターでも
状況は同じだった。
療育センターでは、定期的に通うように促されたが
あまり長く歩けないO次郎に加えて、
眠り病のように 寝てばかりのU一郎も抱え、
ほとんど通うことは できなかった。
他の子供は、エネルギーの塊みたいに
よくしゃべり、動き回っているのに
どうして 私の子供たちは
まるで 魚屋に並べられた大型魚のように
グデッと 床に横たわってばかりなの?
同じような悩みを抱える母親に
出会えたことは 一度もなかった。
2020-12-02 09:00
O次郎の足のこと(1)~不吉な予言 [足のこと]
未熟児で生まれたO次郎は、
最初から、発達が少しゆっくりだった。
なんとか立って 歩き出したものの
すぐ座り込んでしまい、長く歩けない。
同じ年の子達が 活発に動き回る中で
O次郎は 動きそのものが少なかった。
心配になって 医療機関などで相談しても
一様に「まずは 様子をみましょう」だけ。
そして迎えた検診で、保健師さんに言われた。
「もしかすると、あまり上手に歩けないままかもね。」
その日は、とてもお天気が良く、
窓から 太陽の光がサンサンと差し込んでいた。
2020-12-01 21:00